従来、食品の機能は一次機能である「栄養」、二次機能である「嗜好」三次機能である「生体調節作用」の3つに分類され、それぞれ研究が進んできました。
特に食品機能性については、医薬品をお手本に開発が進められてきました。しかしながら、その効果を薬理学的(有効性を持つ成分が標的臓器に分布して生化学反応を起こす)に解明することができませんでした。
そのため、消化管と消化管の相互作用に注目が集まっています。その一つとしてよく知られているのが、腸内環境(腸内細菌)です。それに加えて最近では、食感覚(味覚・嗅覚・食感など)の重要性に注目が集まっています。例えば、
1)味覚・嗅覚の衰えは認知症の初期症状であることが明らかとなった
→COVID19の合併症として起こる味覚・嗅覚の障害は認知症の潜在患者を増加させたのではないか?
2)消化管に存在する味受容体が食物に含まれる味物質と相互作用することで摂食を調節していること、また耐糖能を改善することが分かった
→肥満や糖尿病を予防するのではないか?
→COVID19の合併症として起こる味覚・嗅覚の障害は認知症の潜在患者を増加させたのではないか?
2)消化管に存在する味受容体が食物に含まれる味物質と相互作用することで摂食を調節していること、また耐糖能を改善することが分かった
→肥満や糖尿病を予防するのではないか?
昔から、味や匂いと記憶には因果関係があるのではないかと考えらえてきましたが、化学の進歩により、どのような味や匂いのシグナルが脳に入力されるか、またそれがどのように処理されているのかについて、徐々に明らかになってきました。
しかしながら、その結果として恒常性の維持・増進にどのように働いているのかについては未だ不明です。
また感覚栄養学を進めるにあたって大きな課題が2つあります。
1)概念図に示したように、食感覚(味覚・嗅覚・刺激・触感など)の組み合わせは無限大である
2)またヒトがどのように食感覚を認識しているのかについては、ヒトを用いた実験でのみ明らかにすることができますが、非侵襲的に得られる情報には限りがある
→そのため従来の動物実験を主とした従来の手法では解明することができない。
2)またヒトがどのように食感覚を認識しているのかについては、ヒトを用いた実験でのみ明らかにすることができますが、非侵襲的に得られる情報には限りがある
→そのため従来の動物実験を主とした従来の手法では解明することができない。
それでは、当研究室ではどのように取り組んでいるのでしょうか?